- SOTO アミカスの使い勝手が知りたい
- もっと高いシングルバーナーと何が違うの?
- アミカスのメリット・デメリットが知りたい
ソロ・少人数キャンプで温かい食事や飲み物を作るのに必須アイテムとも言えるのがシングルバーナー。
省スペースで気軽に調理が出来るのでキャンプ飯を楽しむためには必須とも言えますが、多種多様なシングルバーナーからどれを選ぶべきか迷っている方も多いのでは無いでしょうか?
この記事ではバーナー類の大手メーカーであるSOTOから販売される初心者向けシングルバーナー「アミカス」を3年以上使ったうえでレビューしていきます。
実際に色々な条件で使う中で、良いところも悪いところも見えてきました。
結論から言うとアミカスは、初めてシングルバーナーを手にする人におすすめ出来るシンプルで使いやすいバーナーだと思っています。
この先で詳しいスペックや特徴の解説はもちろん、高価なバーナーとの違いや短所についてもしっかり紹介します。
基本スペック
SOTOアミカスの基本スペックは以下の通り。
- SOTOアミカスの基本スペック
- 使用寸法:幅76×奥行100×高さ86㎜
収納寸法:幅40×奥行43×高さ75㎜
ゴトク外径:Φ106㎜
ゴトク内径:Φ42㎜
本体重量:81g
発熱量:3.0kW(2,600㎉/h)
使用時間:約1.5時間(SOD-725T使用時)
点火方式:圧電点火方式
また本体の他に収納ポーチが付属しています。
燃料にはOD缶ガスカートリッジを使用し、メーカー推奨ガスはSOTO製のパワーガスのSOD-750T、SOD-725T、SOD-710Tの3種類です。
他社のガスの使用はメーカー保証外となるため、必ず自己責任で使用しましょう。
SOD-320 アミカスの特徴
3年以上アミカスを使う中で感じたアミカスの特徴についてレビューしていきます。
コンパクトでシンプルな使い勝手で、気軽に使える扱いやすいシングルバーナーです。
小型クッカーには充分な安定感
アミカスには4本の折り畳み式ゴトクが搭載されていて、ゴトクを展開するとコッヘルに丁度いい大きさになります。
アミカスと同じくSOTO製のアルミクッカーを乗せてみると完璧にフィットします。
4本のゴトクの精度も高く、クッカーがガタつく事もなく安定して使用が可能。
コッヘル以外にもメスティンやホットサンドメーカー、スキレット等小さめであまり重くないクッカーにおすすめです。
ただしホットサンドメーカーなど重心が偏ったクッカーは上手く乗せられない可能性もあります。
超コンパクトで使い方も簡単
アミカスの本体サイズは非常に小さく、収納時は片手で握りこめるほどの小ささになります。
展開する時は4本のゴトクをフックに引っかけるだけで組立が完了するので設置も簡単です。
使い方はガスカートリッジにアミカス本体を取り付け、少しガスを出した状態で点火ボタンを押せば点火完了。
本体下部のダ火力調整ダイヤルと点火ボタンも直感的に分かりやすく、取り扱いで悩むことも無いでしょう。
ガスカートリッジへの取り付けも本体底部のネジをガスカートリッジに締めこむだけで完了、使い勝手は非常にシンプルなものになっています。
ケトルの湯沸かしも問題ない火力
2,600㎉/hという最大火力は調理はもちろんケトルでの湯沸かしにも十分対応可能。
火力が中央部分に集中している事もあり、コンパクトなコッヘルや小径のケトルでも効率よくお湯を沸かすことが出来ます。
試しに室温26℃の環境でケトルに500mlの水道水を入れ、沸騰までの時間を計測してみました。
ケトルの底面に炎が収まる火力(約7割)で加熱したところ、500mlを約3分30秒で沸騰させることができました。
湯沸かしの時間は家のガスコンロで沸かすのと大差ないように感じます。
ただし低温下では火力が下がってしまうので注意が必要。詳しくは記事後半で解説します。
ガスとセットでコッヘルに収納可能
アミカスはそのコンパクトさを活かして、ガスカートリッジと一緒にコッヘル内に収納することが可能です。
各社から販売されているコッヘルはガスカートリッジ(OD缶)を収納できるよう設計されているものも多く、ガスカートリッジの上に僅かなスペースがあればアミカス本体も収納することが出来ます。
荷物をなるべくコンパクトにまとめたい時など、このコンパクトさは役に立ちます。
非常にコンパクトで軽量なので、登山やハイキングなど、荷物を限界まで減らしたいアクティビティにもピッタリなバーナーです。
高価なバーナーとは何が違う?
シングルバーナーと一口に言っても、製品によって価格も大きく異なってきます。
同じSOTOのシングルバーナーで比較した場合、高価なバーナーになると「マイクロレギュレーター」と呼ばれる装置が搭載されるようになり、より低温でも安定して使用が可能になります。
もちろん構造による価格差もありますが、SOTO製ガスバーナーの上位機種には大抵マイクロレギュレーターが搭載されています。
アミカスと近いスペックのSOD-310ウィンドマスターはマイクロレギュレーターを搭載していて、-5℃でも最高火力の2,800㎉/hを維持できるようです。
一方マイクロレギュレーター無しのアミカスは低温にはやや弱く、気温10℃前後の環境では湯沸かしにかかる時間が一気に長くなってきます。
10℃くらいの環境で使ったら火力が足りずお湯が沸かせなかったことも…
バーナーを選ぶ基準は様々かと思いますが、寒い時期に使えるかを基準に選ぶのも重要です。
マイクロレギュレーター搭載のシングルバーナー、ST-330フュージョンのレビュー記事もあるので、良ければご覧ください。
点かない時の対処法は?
アミカスを含むガスバーナーは、ガスの残量や外気温によっては点火ボタンでの点火が困難になる事があります。
ある程度ガス圧が無いと点火できないのはガスの性質上仕方ありません。
万が一ボタンで点火できない場合、少量ガスを出した状態でゴトク中央にライター等の火を近づけて直接点火しましょう。
SOTOのマイクロトーチなら少し遠くからでも日が届くため、安全に着火できます。
アミカスのデメリット
使い勝手の良いバーナーであるアミカスですが、デメリットもゼロでは有りません。
ここでは3年以上アミカスを使ってきた経験から、実際に使って感じたデメリットを紹介していきます。
マイクロレギュレーターが無く低温に弱い
私がアミカスの乗り換えを考えた一番の理由が低温に対する弱さでした。
リーズナブルなアミカスはマイクロレギュレーターを搭載しておらず、冬場や春秋の朝夕はどうしても火力が低くなったり点火しづらくなるなどの問題が出てきます。
15℃を下回るくらいで火力が大きく落ちはじめ、湯沸かしに時間がかかるようになってしまいました。
春なら使えると思っていましたが、4月初旬のキャンプの朝に点火できなかったことも有ります。
SOTOのOD缶ガスカートリッジは、低温に強いイソブタンやプロパンも含有していて所謂パワーガスに相当していますが、そのガスを使っても低温時のアミカスの実用性はあまり高くありませんでした。
使用中の背が高く不安
アミカスを含む一体型バーナーは構造上どうしても背が高い形状になってしまいますが、上にクッカーを乗せると背の高さが一際目立つものになります。
先述の通りぐらつき等の不安定さは一切ないのですが、ケトルなど高さの有るクッカーを乗せると合計で50㎝近い高さになることも。
少し机を揺らしてしまった場合を考えるとなかなか不安な見た目になります。
省スペースという一体型バーナーのメリットの裏返しではありますが、ガスとバーナー本体が別々になった分離型バーナーの方がより安定して使うことが出来るでしょう。
火力が中央に集中している
アミカスのバーナーヘッド部分は耐風性能重視のすり鉢状の形になっていて、炎も必然的に中央に集中していきます。
そのためアミカスで調理をすると、どうしてもクッカー中央だけが高火力になってしまいます。
ホットサンドなども中央ばかりが焦げやすくなってしまうので、キャンプ飯などの調理を考えている方は注意しましょう。
煮込みや湯沸かしならともかく、焼き料理の場合は火加減に注意が必要です。
結論:アミカスはアウトドア入門やライトユースにおすすめ
SOTOのシングルバーナー、アミカスについて解説してきました。
アミカスは価格も安くシンプルで扱いやすいバーナーであり、これからアウトドアに挑戦する入門の方でも気軽に使えるバーナーと言えるでしょう。
夏場のキャンプやバーベキューの相棒として、コスパ良くアウトドア調理を楽しむことが出来ます。
花見シーズン等に温かい飲み物が欲しい時などにも使えるので、屋外で過ごすときは何かと役立つアイテムです。
花見シーズン等に温かい飲み物が欲しい時などにも使えるので、屋外で過ごすときは何かと役立つアイテムです。
一方で冬キャンプまで視野に入れている人や本格的にキャンプを楽しみたい方はもう少し上位の機種を購入したほうが、一台で年中使えて結果的にコスパが良くなるでしょう。
良いところも悪いところもハッキリ書いてきましたが、トータルで考えるとコスパも良く優れたバーナーだと感じます。
私がアミカスでアウトドアの楽しさを知れたように、初めてアウトドアの世界に飛び込むには十分頼れるスペックはあります。
コスパ良くアウトドアを始めたいと言う方は、コンパクトなアミカスでアウトドアデビューしてみてはいかがでしょうか?
この記事が少しでもバーナー選びの参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。