- オイルランタンに興味がある
- フュアハンドランタンの適正価格が知りたい
- フュアハンドランタンについて詳しく知りたい
- オイルランタンの手入れ方法が知りたい
- 手軽にキャンプの雰囲気をおしゃれにしたい
オシャレな外観と落ち着いた明るさが魅力のオイルランタン。
1893年生まれのフュアハンド(FEUERHAND)のベイビースペシャル276は、そんなオイルランタンの中でも歴史が長く、キャンパーから高い人気があるアイテムです。
キャンプ芸人のヒロシさんが使っている事でも有名ですね。
今回の記事ではこれまでにオイル・ガソリン・LED等様々なランタンを使ってきた筆者の視点で、フュアハンドベイビースペシャル276について詳しくレビューしていきます。
記事前半でフュアハンドランタンのスペックや外観・明るさレビューを行い、後半ではメンテナンスやメリット・デメリットについても解説します。
フュアハンドのオイルランタンを使って、ゆったり癒されるキャンプを楽しみましょう!
フュアハンドランタンの構造・スペック
フュアハンドランタンの構造や点灯の仕組みは非常にシンプル。
- 芯(ウィック)がタンク内の燃料を吸い上げる
- 芯に点火すると燃料が燃焼、上昇気流が発生する
- 燃焼の熱は上部から排出、同時に新鮮な空気を上部から吸い込む
- 新鮮な空気はランタン側面のチャンバーを通って火に送られる
- 供給される空気で燃焼が続く
強風に耐えられることからハリケーンランタンとも呼ばれるフュアハンドランタン。
防風のため構造は工夫されていますが、点灯の原理はアルコールランプのようにシンプルです。
基本スペック
正規輸入代理店であるスター商事様のページによると、フュアハンドランタンのスペックは以下の通りです。
- 本体寸法:15×26㎝
- 重量:480g
- タンク容量:340ml
- 使用燃料:灯油・パラフィンオイル
- 材質/本体:ガルバナイズドスチール
- 燃焼時間:20時間以上
- 明るさ:5W
カラーバリエーション
国内で正規で流通しているフュアハンドランタンは、亜鉛メッキ仕上げのジンクを除くと全10色のカラーバリエーションがあります。
カラーリストは以下の通りです。
- ルビーレッド
- コバルトブルー
- モスグリーン
- シグナルイエロー
- ピュアホワイト
- ジェットブラック
- オリーブ
- ノルディックグレー
- スパークリングアイロン
- ブロンズ
スパークリングアイロン・ブロンズの2色はメタリック調の塗装となっており、他の8色は艶のある色合いとなっています。
店舗への入荷タイミングは色によってもバラバラなようです。実際に見て買いたい場合、好みの色を店頭で見つけたら買い時かも。
ちなみにノルディックグレーはスター商事のWEB限定として販売されています。
フュアハンドランタンの定価・価格は?
キャンプブームに火が付いた頃から在庫切れや値上がりが多発していたフュアハンドランタン。
2022年に入ったころから、ようやく価格が落ち着いてきたように思います。
正規輸入代理店であるスター商事を参考にすると、2022年2月時点の定価は以下の通りです。
ジンク:5,720円(税込み)
カラー(通常カラー):7,480円(税込み)
カラー(メタリック・限定):8,690円(税込み)
カラー塗装品の中でも、スパークリングアイロン・ブロンズ・ノルディックグレーの3色は1,000円ほど高く設定されています。
少し前はジンクが定価で4,180円(税込み)で、カラーが6,600円(税込み)だったような…?定価も値上がりしているようです。
旧定価の価格設定が残っている現状のネット販売の価格としては、ジンクで5,000円前後、カラーで7,000円前後であれば適正価格と言えるでしょう。
外観・構造レビュー
箱だし状態のフュアハンドランタン(ルビーレッド)を使って、外観や構造をレビュー。
筆者は似たデザインのキャプテンスタッグのオイルランタンを既に所有していましたが、フュアハンドランタンは細部に味が有り非常に満足度の高い仕上がりでした。
キャプテンスタッグのランタンとも比較しながらレビューしていきます。
各部の刻印が良い味わい
フュアハンドランタンは格安オイルランタンに比べると刻印など細かいところまでデザインされていて、オシャレなだけでなく味わいや存在感があるのが魅力。
燃料タンクや燃料キャップ、本体上部に至るまで各部に刻印が入っていて高級感があり、見ていて飽きないデザインをしています。
見比べるとキャプテンスタッグはかなりシンプルなデザインですが、メッキの焼けもいい感じだったりします。
ツヤのある塗装
塗装はしっかり厚みが有るようでツヤが有り、海外製ということで恐れていた塗装ムラも思ったほどありません。(普段見えないところに細かなムラは有ります。)
十分な耐熱性があり、数時間点灯させても変色などの問題は全くありませんでした。
組み立ててから塗装しているのか影になる部分は塗装されていない箇所もありますが、普通に使う上では全く分からない箇所なのであまり気になりませんでした。
ウィック(芯)の幅は約12.5㎜
フュアハンドランタンに使われているウィック(芯)は幅12.5㎜のもの。
Amazon等で販売されている13㎜幅の交換用ウィックを取り付けてみましたが、問題なく使用可能でした。
たくさん使いたい方は未カットのロールで購入するのもおすすめです。
ついでに測ったらキャプテンスタッグランタン(中サイズ)のウィックの幅は約11㎜でした。
よくある13㎜幅のウィックが使える点では、フュアハンドはキャプテンスタッグよりも手入れしやすいと言えるでしょう。
燃料キャップのパッキンは紙製
燃料が漏れやすいことがオイルランタン全般の弱点ですが、フュアハンドランタンの燃料タンクキャップのパッキンは紙製となっています。
傾けたら燃料が漏れてしまうため、持ち運びの際は転倒に注意が必要です。
その点キャプテンスタッグランタンはゴムのパッキンが入っているため、燃料漏れには配慮されています。
とは言えランタンを倒したら燃料が漏れるのはどちらのランタンも同じです。
キャップのパッキンを紙製からゴム製に変えるカスタムも有名なので、チャレンジしてみるのも良いでしょう。
※パッキンは燃料耐性のあるものではないため、カスタムは自己責任で行いましょう。
フュアハンドランタンの明るさは?
オイルランタンって実際使える?と思う方も多いと思いますが、フュアハンドランタンの明るさは、ソロキャンプの照明であればギリギリ足りる程度。
ソロキャンプ向けのテーブル上のものであれば、文字が読めるくらいには照らすことができます。
サイト全体を明るくすることは出来ませんが、ソロキャンプとして最低限の活動はできるくらいの明るさです。
そんなフュアハンドランタンの明るさをLEDランタン・キャプテンスタッグオイルランタン等と比較しながらレビューしていきます。
LEDランタンと比べた場合
ソロキャンプのメインランタンとして十分な性能が有るLEDランタン、GENTOSのEX-334Dと明るさを比較してみました。
写真は明るさ最大(約440ルーメン)のEX-334Dと並べて点灯。
机や背景の光を見比べても、明るさの違いは圧倒的です。
次に同じ机の上で片方のランタンをオブジェに置き換えて、なるべく肉眼に近いように撮影してみました。
EX-334Dの場合はオブジェの細部はもちろん、机の端までしっかり照らせています。
対してフュアハンドランタンの場合、オブジェの輪郭や文字であれば判別できるくらい。
写真で見比べるとフュアハンドランタンはかなり暗く感じてしまいますが、体感としては目が慣れると案外普通に過ごせるくらいの明るさはあります。
とは言えやはり「めちゃくちゃ明るい」とは言えないので、照明としてはあまり期待できないかも。
キャプテンスタッグのオイルランタンと比べた場合
次は同じオイルランタンの比較として、フュアハンドとキャプテンスタッグのランタンを比較してみました。
結果としては、芯の太さに差はあるものの、明るさとしてはあまり差が無い印象でした。
芯の幅が太い分フュアハンドランタンの方が若干火が大きいですが、明るさが変わるわけではなさそうです。
最大の魅力は揺らぐ明かり
明るさレビューでは少し辛口になってしまったフュアハンドランタンですが、それでもおすすめしたい最大の理由は魅力的な揺らぐ炎の明かり。
わずかに揺らぐ温かみのある光は非常に癒され、長時間眺めてもまったく飽きが来ません。
LEDランタンにも炎モードが付いている場合も多いですが、オイルランタンの持つ雰囲気には遠く及びません。
オイルランタンは扱いやすく価格も決して高価ではないため、手軽にキャンプの雰囲気を良くしたい、非日常で癒されたいという方にはピッタリのランタンと言えるでしょう。
更にフュアハンドランタンはさりげないロゴや刻印のおかげでデザインにも味が有り、点灯させたときの雰囲気はバツグン。
ついつい部屋でも飾ったり点灯させたくなるような、所有欲をガッツリ満たしてくれるオイルランタンに仕上がっています。
フュアハンドのベイビースペシャル276は、キャンプの雰囲気を1段アップさせたいキャンプ初心者の方や、気軽にオシャレなキャンプを楽しみたい方には本気でおすすめ出来るオイルランタンです。
フュアハンドランタンの使い方
パッと見では使い方が分かりにくいオイルランタン。
フュアハンドランタンを含むオイルランタンの使い方について解説します。
購入後・芯交換後の初使用の場合は、芯の先端の形を整える必要があります。
①芯の先端の形状を整える
初回使用の場合、ガラスのホヤを倒して芯の形状を整えます。
ハサミを使って芯の先端が細くなるよう台形にカットしましょう。
芯の先端を整えずに使う事もできますが、炎の形が汚くなってしまいます。
台形や三角形など色々なやりかたが有りますが、芯の先端側に向けて細くなっていれば炎はキレイな形になります。
カットする際はそのまま切っても良いですが、ランタンから芯とバーナーを取り外して作業するとより簡単です。分解方法まではコチラからスキップできます。
②燃料を入れて、芯に燃料が染みるのを待つ
燃料タンクのキャップを外し、灯油やパラフィンオイルなどの燃料を入れます。
給油後は燃料がしっかり芯に染みるまで、30分ほど置いておきましょう。
給油用の先細ボトルもありますが、100円ショップの漏斗を使うのも便利です。
③ハンドルを押し下げてホヤを上げる
ホヤの横にあるハンドル(レバー)を押し下げるとガラスのホヤが持ち上がります。
少し硬いので、ランタンを倒さないようしっかりと押さえながらレバーを操作しましょう。
④ウィック(芯)に点火する
芯を1~2㎜ほど出し、マッチなど長さのある道具を使って芯に点火します。
芯を出し過ぎるとススが出たり、芯の減りが早くなるので要注意です。
私は点火の際はSOTOのマイクロトーチActiveを使用しています。
火のリーチが長く、給油して繰り返し使えて扱いやすいのでおすすめです。
⑤ホヤを下げて火力を調整する
芯に火が付いたらホヤを下げ、火力調整ハンドルを回して芯の出量を最終調整したら完了です。
ススが出ない範囲で火力を調整しましょう。
ランタン上部の小さなリングはかなり高温になるため、うっかり持ってしまわないように注意しましょう。
使用する燃料はパラフィンオイルがおすすめ
オイルランタンは灯油(ケロシン)とパラフィンオイルの2種類の燃料を使うことができますが、パラフィンオイルの使用がおすすめ。
パラフィンオイルは灯油と比べると
- 揮発しづらい
- 引火点が高い(約95℃)
- 給油時の臭いが少ない
- 燃焼時にススや臭いが少ない
などの特徴があり、安心かつ快適に使うことができる優秀な燃料となっています。
価格は1ℓあたり1000円以上と高価ではありますが、キャンプの度に大量消費するものでも無いのであまり気になりません。
石油ストーブのような独特の臭いがしないだけでも、収納場所の限られる1人暮らしには特にありがたい燃料です。
対する灯油も引火点は約50℃と決して低くは無いため、ガソリン等に比べると比較的安全な燃料と言えます。
灯油はとにかく価格が安く、ガソリンスタンドなどで入手が簡単なのが何よりの魅力。
燃料の保管場所がしっかり確保できる場合は、灯油を使うことでランニングコストを大きく下げることができるでしょう。
灯油はガソリンスタンドで入手する以外にも、アウトドア用品店などで入手することも可能です。
フュアハンドランタンのメンテナンス
定期的なメンテナンスが必要になるフュアハンドランタン。
基本メンテナンスのための分解方法と、芯の交換方法について解説します。
分解方法
フュアハンドランタンの分解は意外と簡単で、大きく2ステップで分解が可能です。
①ランタンのホヤを倒す
ランタン本体が冷めている事を確認し、ランタン上部のリングを上に引き上げます。
するとガラスのホヤの固定が解除されるので、ホヤをランタン後方に向けて倒します。
ホヤがタンクにぶつからないようゆっくりと倒しましょう。
②バーナー部分を取り外す
ホヤを倒すとランタン中央のバーナー部分(芯が固定されている部分)がむき出しになります。
火力調整ハンドルを掴んでバーナーを左に回転させると、バーナーのロックが解除されます。
ロックを外したらバーナーを持ち上げると分解が完了です。
ここまで分解すれば芯の交換が可能です。
芯の交換方法とタイミング
芯が短くなると燃料を吸い込むことができなくなり、自然と火が消えてしまったり、新そのものが燃えて焦げてしまいます。
火力が弱まってきたと感じたら芯を交換しましょう。
新品時の芯の長さはムラがあるようなので、ランタン購入時にセットで芯も用意しておくのがおすすめです。
私が購入したランタンは新品時から少し芯が短く、先端形状を整えたら燃料を吸えなくなってしまいました。
バーナーを取り外した状態で火力調整ダイヤルを回転させると、古い芯を取り外すことができます。
新しい芯をバーナー下部から挿入し、火力調整ハンドルを時計回りに回転させて芯を吸い込ませましょう。
芯はフュアハンド純正の12.5㎜幅のものや、社外品でも幅13㎜のものが使用可能です。
交換する芯は長さ12㎝以上でカットし、燃料タンクの底まで余裕をもって届くようにしましょう。
芯のカット
ランタン購入時や芯交換時は、芯の先端をカットして形状を整えましょう。
また長期間使って炎の形状が崩れてきた時も、先端をカットし直すことで修正することができます。
台形や三角形など、先端が細くなるように芯の形状を整えましょう。
芯のカットにはしっかりとしたハサミを使うのがおすすめです。
フュアハンドランタンのメリット・デメリット
実際に手に取り、数時間点灯させてみたうえでフュアハンドランタンのメリット・デメリットを簡潔にまとめていきます。
メリット
- フュアハンドランタンのメリット
- ・格安オイルランタンには無い雰囲気を楽しめる
・カラーバリエーションが豊富で他のギアに合わせやすい
・燃料式ランタンの中では比較的簡単に使える
・低温でも性能がほとんど変わらない
フュアハンドランタンは塗装の質感や各部の刻印、ホヤのロゴマークなど独特な味のある仕上がりとなっていて、格安オイルランタンには無いオシャレな雰囲気を楽しむことができます。
LEDなど効率的なランタンが豊富な現代においては、オイルランタンの魅力は照明としての実用性よりも、温かみのあるオシャレな雰囲気を楽しめるところにあるように感じます。
フュアハンドランタンは100年以上の歴史があるアイテムで、レトロな雰囲気はまさしくホンモノです。
カラーバリエーションが全10色とかなり豊富で、自分好みの1台を見つけられるのも魅力です。
また燃料式のランタンの中では比較的扱いやすく、低温でも性能が安定しているという長所もあります。
デメリット
- フュアハンドランタンのデメリット
- ・照明としては明るさが不足気味
・燃料漏れには注意が必要
オイルランタン全般に言える事ですが、照明としては決して明るいとは言えません。
オイルランタンを使う場合、特にキャンプ初心者の方などキャンプに慣れていない方は、メインランタンとして明るいランタンを別に持って行く事を強くおすすめします。
またフュアハンドランタンは燃料キャップのパッキンが紙製のため、傾けた時に燃料が漏れやすいという弱点があります。
燃料キャップのパッキンをゴム製に交換することでキャップ部分からの燃料漏れを防ぐことができるようです。
フュアハンドランタンのケース
フュアハンドランタンは購入時の段ボール箱以外に収納ケース等は付属していません。
ガラス製のホヤをぶつけて割ってしまったり、本体に無暗に傷をつけないためにも収納ケースを別途用意するのがおすすめです。
給油用の漏斗やスペアの芯なども一緒に収納できるので、有ると何かと便利です。
まとめ
フュアハンドランタンのレビューと、使い方・メンテンナンスについて解説しました。
フュアハンドランタンは癒される明かりはもちろん、ランタン本体の持つ味わいまで楽しめるおすすめのオイルランタンです。
本体価格も5,000円前後、カラーでも7,000円前後で入手可能なので、お手軽にキャンプの雰囲気を良くしたい方にはピッタリでしょう。
温かみのある明かりの雰囲気自体はどのオイルランタンでも味わうことができますが、フュアハンドランタンはランタン本体の持っている味なども含めて愛着の沸く1台になること間違いなしです。
お気に入りのカラーのフュアハンドベイビースペシャル276を使って、ワンランク上の雰囲気でキャンプを楽しんでみてはいかがでしょうか?
この記事が少しでもランタン選びの助けになれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。